雑貨、工芸品

おうちでも、お外へも。とっておきを傍らに。| 大人の趣味「ぐい呑」の世界

こんにちは。

今回は「マイぐい呑」というものについて記したいと思います。

酒器が好き!ぐい呑が好き!

私はお酒全般大好きなのですが、特に日本酒が好きで。
おいしいお店で、食事と日本酒をあわせて楽しむのが、心からのしあわせ。

そして、うつわも大好き。

和洋中問わず好きですが、あらゆるうつわの中で一番心ときめくのが、酒器。
特に日本の「ぐい呑」にすごく心惹かれます。

手のひらにおさまる程よいサイズ感がなんとも素敵し、
お皿や茶碗などに比べてお値段も手頃であることが多いのですよね。

旅先の釜元や行きつけのギャラリー、百貨店、雑貨屋さんなど。
色々な場所で見ては触れて、自分が気に入ったものを少しずつ集めて。

もともとは家での晩酌の習慣がほぼなく、購入したぐい呑はたまに取り出してはうっとりする…という感じでしたが、コロナきっかけで最近は少し家呑みも嗜むようになり、お気に入りのうつわたちの登場の機会もぐっと増えました。

「マイぐい呑」について

そして、個人的に一番心浮き立つのが、そのぐい呑を持ってお出かけすること!

調べてみると
「自身のぐい呑をお家で愉しむことはもちろん、
お店やイベントにも持ち込み、美味しいお酒をいただこう」という動きを促進せんとする「マイぐい呑」なるグループもあるそうです。素敵。

〈参考〉マイぐい呑のススメ

「どのお店でもマイぐい呑歓迎!」というわけではないと思います。
そのお店のコンセプトや雰囲気を最優先に考え、「ここで自身のぐい呑を取り出しても問題ないか否か」を適切に判断できる感性を養いたいものです。
そして、持ち込みを断られたとしてもそこは当然お店の主義を尊重すべきかと。それが大人。

美しいぐい呑に心を奪われたきっかけ

ぐい呑と、それを持ち歩くことに本格的に魅力を感じるようになったきっかけについて。

社会人になってからお酒の美味しさを知り、外で一人で呑む機会も増えたころのことです。

評判の良い立ち飲みの居酒屋さんに行ってみたくて。
一人で入り席に通されると、お隣にはえも言われぬオーラをまとった紳士が。
美しい出で立ち、姿勢。お一人でゆったりとお酒を愉しんでいらっしゃる。
聞こえてくるお店の方との会話も、なんだかお酒へのこだわりが強そう。

(すごいなぁ、ひとり呑みが板についている……どんなお酒を呑んでらっしゃるのかな)と思い静かに目線を隣に向けると、
その手の中にあるお酒のうつわが、あからさまに普通と違う!!!!!

通常だとこのようにお店のグラス↓に入って出てくるのですが、
その方は完全にご自分専用の、ものすごく素敵なぐい呑(志野ですね♡)↑でお酒を呑んでいらしたのです!!!!!
共箱(作家さんがつくるその作品専用の箱)も傍に置かれていました。

これがものすごく衝撃で。そういうのもアリなのか、と。
そして、同じお酒なのに、ビジュアルがすごくいい…めちゃくちゃ美味しそうに見える…!なにそれ……!!!

驚きのあまり、思わず「すみません…そちらのぐい呑って…?」と話しかけてしまいました。

するとそのお方、快くその作品を見せてくださり、手に持たせてくださり。
気に入ったぐい呑でいただくお酒の美味しさ、
さらには酒器や酒道というものの奥深さなどについて色々と教えてくださいました。

ご自宅にはかなりの数のコレクションがあるそうで、出張の折にはぐい呑を2〜3個バッグに入れて出るのだとか。

楽しい会話とお酒をひとしきり堪能し、
その方が関西に来られる際にはいつもチェックしているというギャラリーで、その翌月に「ぐい呑展」が開催される予定だというので、そちらでの再会をお約束したのでした。なんたるタイミングの妙。

……というできごとが、5年ほど前にあり。
その翌月にギャラリーのぐい呑展で、初めて作家もののぐい呑を購入。

元々酒器には興味を持っていたのですが、師匠(だと勝手に思っています)との出会いをきっかけに、一気にその世界に魅了されることとなりました。

念願の、マイぐい呑お出かけデビュー

ぐい呑・酒器の魅力。

そしてそれを家の外に出して持ち歩き、お店に確認をとった上で使わせてもらったとしても作法に反するわけではないのだなあ、という新たな認識。

以降ギャラリーや百貨店の展示などもよく見に行くようになりました。
雑誌や本の写真を眺めるだけでも心満たされます。(個人的に、写真集は電子じゃなく紙媒体が好きです)

しかし、お店でさらりと懐からマイぐい呑を取り出し、「こちらを使ってもよろしいですか?」とやるのはなかなか叶わず。
「ほんまに私でもいけるんかな…??」というちょっとした緊張もあり…

そんな折、「滋賀の北島酒造さんを訪ね酒蔵を見学し、その後お花見しながら新酒を味わう」という素敵なイベントにお誘いいただきました。
しかも「是非ご自身のぐい呑やおちょこ持参で!」という主催側からのお達し!

「ウオォ、ここや〜〜〜〜〜!!!!」とばかりに張り切り、
ギャラリーで購入した当時一番のお気に入り、漫画織部のぐい呑を持参!

共箱ごと持って行ったので、その紐を解いて中身を取り出す時に
「おぉ〜〜そんな木箱入りのあるんや!」
「めっちゃ本格的…!大人の趣味って感じでかっこいい!」
などなど、かなり周りから好感されました。

うれしい〜〜!そして楽しい〜〜〜〜!!
お酒もお弁当も美味しく、素敵なイベントだったなぁ。

マイぐい呑の素敵な効能

一目置いてもらえる。覚えてもらえる

イベントでのマイぐい呑持参デビューの後も、別の場所で「あ、あの時箱入りのぐい呑持ってきてたよね!」とお声掛けいただくことも。
「いい趣味やね〜」と褒めてもいただき。

「自分の世界観を持った人」「美意識の高い人」というような印象を持っていただけているようで、とてもうれしくありがたいです。

お酒がより美味しく感じられる

ぐい呑の形状(平たい、飲み口がすぼまっている、分厚い、など)により、まったく同じお酒でも味わいが変わるといいます。

お気に入りの酒器でいただくお酒は、味わいもまたひとしお。
特別感を感じられます。

私の手持ちのぐい呑は、作家ものからリーズナブルなものまでさまざま。
いくつか取り出して、呑み比べてみるのも一興です。

た の し い !!!

何より、たのしい!!!!!それが一番。

お家に並べている酒器の中から、「今日はこれにしようかな」と選ぶのも、お箱や巾着に入れて持ち運ぶのも、心踊ります。

まとめ

お気に入りのぐい呑と、それを持ってお出かけすることの楽しさについて語りました。

お店によってはこだわって酒器をご用意なさっているところもあるので、そういう場所ではお店のうつわをうっとり愛でつつ、その世界観を楽しむことが一番だと思います。

周りに目を向けず配慮もなしに自身のこだわりばかりを強く押し出すようなことはいただけませんが、それが歓迎される環境であるならば、お気に入りのぐい呑を取り出して披露するというのはとてもたのしく、心潤うことです。

こんな世界もあるのだ、と教えてくれた師匠に感謝。
あまり頻繁には外に持ち出せていませんが、また折を見てうちの可愛い子をお出かけさせようと思います。

以上です、読んでくださりありがとうございます!

〈おわり〉